反抗期の息子が勉強しない理由や対処法は?親がしてはいけないことはある?
反抗期の息子が勉強しないでいると、わが子の将来が不安になって、ついガミガミ言ってしまう親御さんは多いものです。
しかし、心配なあまりしてしまう親の対応が逆効果になることも。
本記事では、家族支援カウンセラーであり現役塾講師の筆者が、反抗期の息子の勉強しない理由や上手に勉強に向かわせる対処法を紹介します。
勉強しない反抗期の息子にお悩みの方は、参考にしてくださいね。
反抗期の息子が勉強しないのはなぜ?
反抗期の息子を勉強に向かわせるのは至難の業で、親としてはなぜ勉強しないのかとイライラしがちです。
反抗期の息子が勉強しないのには、3つの原因があります。
1. やってもできないとプライドが傷つくから
反抗期の息子が勉強しない原因の一つは、やってもできなかったときにプライドが傷つくからです。
勉強を頑張ったのに点数が上がらないと、周囲からバカにされるのを恐れて勉強をしなくなる子がいます。
特に男の子はプライドの高い子が多く、失敗する姿を親にも友達にもみられたくないと思っているのです。
どうせ失敗するなら、勉強しないほうがマシと思っている子は多くいます。
2. 昔から勉強が嫌いだった気持ちが反抗期で表に出たから
勉強しない原因は、もともと勉強が苦手な子が反抗期を迎え、その気持ちを態度で表すようになっただけという場合もあります。
小学生の時は、親から言われたことは素直に聞いて逆らわないので、嫌いでも仕方なく勉強に向かっていました。
しかし、反抗期になると自我を持ち始めるため、特に親から自分の行動をいちいち指図されることを嫌います。
本人は勉強が苦手なことを痛いほどわかっているのに、それを指摘されて命令されるので、どうしても反抗したくなってしまうのです。
3. 親からうるさく言われると反抗したくなるから
そもそも反抗期の息子は、親からうるさく言われると反抗したくなるものなので、それが原因で勉強しないだけという子もいます。
親から毎日「勉強しなさい」とうるさく言われ続けていると、家庭には逃げ場がないので、反抗するしかなくなってしまいます。
反抗期の男の子はプライドを持ち始める頃でもあり、自分に上から目線で指図する人からの助言を疎ましく思うようになるのです。
そんな時に成績表を見ながら「勉強しなさい」と言われると、余計にプライドが傷つき、反抗がエスカレートする場合があります。
大人がうまく導くことが大切!勉強しない反抗期の息子への対処法
大人の階段を上り始めたとはいえ、まだまだ幼い部分も残っている反抗期には、大人が上手に導いてあげることが大切です。
勉強しない反抗期の息子を、自ら勉強するよう仕向けるための、3つの対処法をご紹介します。
1. 「勉強しなさい」と言わない
勉強しない反抗期の息子に「勉強しなさい」と言うのをやめましょう。
目の前のテストの点数を見て、このまま勉強しないと将来いい高校や大学に入れなくなってしまうのではないかと、心配になるのは当然です。
ただ、それは本人が一番自覚し、不安に思っていることでもあります。
大人でも、仕事先で失敗したときに、上司や先輩から「もっと勉強しなさい」と頭ごなしに言われると傷つきますよね。
反抗期の子どもは大人になりつつあり、親とも対等の立場だと思い始めている頃です。
同等の相手から、自分の欠点ややるべきことをいちいち上から目線で言われ続けたら、ストレスがたまって勉強どころではないでしょう。
また反抗期には、親から言われたことはそれが必要でも排除する傾向があるので、「勉強しなさい」はかえって逆効果です。
そうではなく、「勉強した先に何があるか」を本人と話し合ってみてください。
進路や将来やりたいことがほんの少しでも見つかると、それを実現するために自ら勉強するスイッチを入れられますよ。
2. 子どもの考えを否定せず受け入れる
反抗期の息子が勉強するよう導くには、息子の考えに耳を傾け、否定せずに受け入れることが大切です。
もしかすると勉強しないのは、勉強の仕方がわからないだけかもしれません。
勉強中に他の兄弟たちがうるさくて集中できないという子もいます。
また、スマホやゲームに夢中になって勉強しない子は、辛い勉強から「逃避」しているだけの可能性もあります。
息子の言い分を「言い訳」としてとらえて頭ごなしに叱るのではなく、じっくりと最後まで話を聞いてあげましょう。
ひとりの人間として認め、「そういう考え方なんだね」と否定せずに受け止めてあげることで、反抗期の息子もようやく親の話を聞いてくれます。
また勉強に限らず、息子の好きなことや興味のあることに耳を傾け、一切否定せずに話を聞いてあげましょう。
その中でやりたいことを自分で見つけられたら、自ら勉強し始めるきっかけになる可能性があります。
3. 一度放置して成績を落とす!子ども自身に危機感を覚えさせる
テスト前、反抗期の息子が勉強しないでいても、あえて何も言わずに放置してみましょう。
そこで子ども自身に危機感を覚えさせます。
ただ放置するのではなく、事前に「あなたはもう親から言われて勉強するような年齢じゃないから、自分の成績は自分で責任を持ってね」というメッセージを伝えておくのがポイントです。
大人として扱われるには、自らの責任が伴うことを自覚させます。
その結果成績が下がって落ち込んでいても、決して揚げ足を取らないでください。
本人が一番傷ついています。
どうして成績が下がったかを自分で分析させ、もし環境が問題なら、整えてあげましょう。
スマホやゲームに逃げてしまうなら、使用する時間を本人に決めさせ、それ以外は親に預けるよう提案します。
勉強の仕方がわからないなら、塾や通信教育を一緒に検討するタイミングです。
親に言われたからではなく、自分のために勉強する自覚が芽生えることで、自ら勉強に向かえるようになります。
反抗期の息子が勉強しない場合に親がやってはいけないこと
成績が上がらないのに勉強に向かわないと、親は心配でついいろいろと口出ししてしまいがちです。
しかし逆効果になることも多いので、反抗期の息子に勉強をさせたい親が、絶対にやってはいけない3つのことをご紹介します。
1. 親が焦って勝手に塾へ入れる
反抗期の息子が勉強せず成績が振るわないからと焦って、本人の同意なしに勝手に塾に入れてしまうのは、親が決してやってはいけないことです。
塾講師の立場としては入会してくださるのはありがたいのですが、子どもの心は置き去りになっています。
これでは本人の勉強に対するモチベーションは上がりません。
特に中学2年生以上の男の子はプライドも高いので、入会面談の席で壮絶な親子喧嘩に発展することもあります。
そんな状況で入塾しても勉強は長続きせず、高い授業料が無駄になってしまいます。
反抗期の息子はなかなか話を聞いてくれないかもしれませんが、まずは本人の気持ちが一番大切です。
上から目線にならないよう「塾に行きたければ、いつでも言ってね」と言って放置し、本人が行きたいというまで待ちましょう。
塾では勉強の仕方を覚え、継続して勉強する習慣を身につけられるので、本人が自分の意志で学びたいのであればとてもいい環境ですよ。
2. 親が希望する進路を押し付ける
親自身が希望する進路を子どもに押し付けて勉強させようとするのも、親がやってはいけないことです。
アドバイスのつもりで言ったとしても、反抗期の息子にとっては「余計なお世話」です。
反抗の度合いが強い場合、そこが自分が行きたかった進路でも、あえて選択肢から外すことさえあるので注意しましょう。
特に、親が子どものころから努力し、進学高や一流大学に進んだ場合は要注意です!
当然わが子も同じように努力し、いい高校や大学に進むものと勘違いしがちだからです。
「こんな成績じゃ〇〇高校は無理ね」などと言ってため息でもつこうものなら、子どもの自己肯定感が下がり、勉強する気すら失ってしまいます。
口出ししたくなるのをぐっとこらえて、あくまでも進路は本人に決めさせましょう。
私の勤める塾でも、自分で進路を決めた途端に、目標ができて勉強がはかどり始める生徒をたくさん見てきました。
ぜひ子どもの意志を尊重してあげてくださいね。
3. 命令口調で接する
親は、反抗期の息子に対し命令口調で接してはいけません。
日頃から、わが子に命令口調で接している親御さんは、すぐに言い方を変えましょう。
例えば自分が、友人や職場の仲間に常に命令口調で話されたら、人格を否定された気持ちになりませんか?
子どもも同じように感じるので、怒り、反発したくなるのです。
わが子をひとりの人格を持った存在と認め、敬意をもって話しましょう。
「今まで命令口調でごめん。これからはあなたをひとりの大人として話すようにするから。」と宣言した筆者のママ友は、それ以来怒鳴り合いがなくなったと言っていました。
良い親子関係を築ければ、勉強や進路の話し合いもスムーズにできる傾向があります。
まとめ
反抗期の息子の勉強しない理由や、上手に勉強に向かわせる対処法を紹介しました。
勉強に限らず反抗期の息子に手を焼いて、日々疲れ果てている親御さんも多いことでしょう。
子どもは親にひとりの人間として認められ、親は考えを尊重してくれる味方だと思えた時に、初めて心を開いてくれます。
勉強しない反抗期の息子にお悩みの方は、本記事で紹介した方法を試し、上手に反抗期を乗り切ってくださいね。
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