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帝王切開の費用負担を減らす4つの制度を解説!出産一時金や高額医療費制度など

 

帝王切開でも自然分娩と同じように、出産一時金が支給されます。

他にも、帝王切開で費用負担を減らせる制度はあるのでしょうか?

そんな疑問をお持ちの方のために、費用の負担を減らす制度をまとめました。

本記事では、帝王切開の費用負担を減らす4つの制度を解説するとともに、出産一時金や高額医療費制度なども紹介していきます。

出産を控えている方は、万が一のためにぜひ参考にしてくださいね。

 

帝王切開の費用負担を減らせる制度①出産一時金

帝王切開の費用負担を減らせる制度として、まず出産一時金について概要、対象者、手続きのやり方を解説していきます。

 

概要

出産育児一時金(出産一時金)は、自然分娩でも帝王切開でもどちらでも利用できる制度です。

出産育児一時金の受取方法は3通りあります。

・直接支払制度

・受取代理制度

・事後申請

受取方法により手続きが変わり、一般的には立て替え払いをする必要がないため、直接支払制度がほとんどです。

 

対象者

健康保険に加入している人または加入者の扶養家族で、妊娠4カ月(85日)以上の出産の場合に、子ども1人につき42万円が支給されます。

ただし、出産時に産科医療補償制度に加入していない場合の支給額は、404,000円です。

 

手続きのやり方

・直接支払制度

  1. 出産する前に、病院に保険証の提示をするとともに、病院直接支払制度利用の申出をする。
  2. 出産後に、病院等から被保険者(もしくは被扶養者)へ明細書が発行。
  3. この時に健康保険へは支払機関を通じて請求される。
  4. あとは健康保険から病院等へ、支払機関を通じて直接支払われる。

 

出産した本人は直接支払制度利用の申出だけで手続きが終わるので、立て替え払いをすることもなく安心して出産できます。

ただし、出産費用が42万円ではない場合は、精算及び請求が必要なので注意しましょう。

 

・受取代理制度

  1. はじめに受取代理申請書を作成する。医師の証明が必要になるので事前に準備する。出産予定日の2ヶ月前から、健康保険の窓口へ申請が可能。
  2. 病院側が健康保険の窓口へ直接請求し、健康保険から病院等へ出産育児一時金(42万円)が支払われる。

被保険者等がすることは事前の申請だけで、直接支払制度と同様に「出産費用が42万円でなかった場合」は精算が必要となります。

 

・事後申請

  1. 「直接支払制度や受取代理制度を利用しない」という旨の代理契約の文書を作成し、病院等と被保険者等がそれぞれ保管する
  2. 退院時に、被保険者は病院等へ出産費用を全額支払う
  3. 領収書や明細書などの、代理契約書の写し等を添えて、被保険者等が健康保険の窓口へ支給申請する

 

直接支払制度や受取代理制度を導入していない病院で、出産する際に選択される方法です。

また、海外での出産やクレジットカードでポイントを貯めたい場合に、事後申請を選ぶ人もいるようです。

事後申請を選ぶ場合、病院等が対応しているかを確認しておきましょう。

 

帝王切開の費用負担を減らせる制度②高額医療費制度

帝王切開の費用負担を減らせる2つ目の制度として、高額医療費制度があります。

出産育児一時金が「手当金」であるのに対して、本制度は手当金ではなく医療費を一定額に軽減するための制度です。

概要、対象者、手続きのやり方を解説するので確認してください。

 

概要

高額療養費制度は、1ヶ月に一定金額以上の医療費がかかった場合、自己負担限度額を超えて支払われた金額が返ってくる制度です。

医療費の自己負担限度額は月収や年齢によって異なります。

帝王切開は医療行為となるので、手術と治療にかかった費用が高額療養費制度の対象です。

 

対象者

帝王切開は医療行為となるため、帝王切開で出産した方が対象となります。

厚生労働省のホームページで自己負担限度額が確認できるので、一度計算してみましょう。

なお、保険料を滞納していると、本制度の対象外とされる場合があります。

 

手続きのやり方

申請手続きは加入している公的医療保険によって違います。

・社会保険

健康保険証に記載されている健康保険組合に「高額療養費支給申請書」を提出する。

 

・国民健康保険(東京都港区の場合)

3~4か月後に、区から申請書が郵送されてくるので、必要事項を記入し郵送で提出する。

 

なお、申請に必要な書類は加入している公的医療保険で異なります。

医療機関の領収書が求められる場合があるため、領収書などは必ず保管しておきましょう。

 

手続きにあたっては、注意点が2つあります。

  • 申請には期限がある

診療を受けた翌月1日から2年を経過するまでに、申請しないと時効により申請できなくなります。

  • 払い戻しまでに時間がかかる

病院の診療報酬明細書や被保険者からの申請書類の確認などに時間がかかり、医療機関の窓口で医療費を支払ってから、払い戻しを受けるまでに3か月以上かかることもあります。払い戻しを受けるまでは、自己負担限度額を超える分を自分で立て替える必要があります。ただし、事前に申請すれば(限度額適用認定証を利用)、自己負担限度額を超える分を立て替える必要はありません。

 

事前申請の流れは以下のとおりです。

 

・健康保険

  1. 取得した申請書に必要事項を記入し、健康保険証の写しを同封して、自分が加入している健康組合の窓口に郵送する。
  2. 「限度額適用認定証」または「限度額適用・標準負担額減額認定証(住民税非課税世帯の場合)」が発行される。

認定証があれば、窓口での支払いが自己負担限度額までになります。

 

・国民健康保険(東京都港区の場合)

  1. 区内の各総合支所の区民総合窓口サービス係で申請手続きをする。必要な書類は、保険証と本人確認書類(運転免許証等)、マイナンバーカードまたは通知カード。

なお、限度額適用認定証の有効期限は申請書受付月の1日からのため、申請書受付月より前の月の分には利用できません。

また、有効期限は最長1年なので、早めの申請と入手後の有効期限切れに注意が必要です。

 

帝王切開の費用負担を減らせる制度③医療費控除

帝王切開の費用負担を減らすには、医療費控除も活用できます。

医療費控除は、実際に払った医療費を納税の際に控除する制度です。

出産育児一時金や高額療養費制度とは異なり、費用負担を前提としています。

 

概要

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定の金額を超えた場合、確定申告をすることで、所得税の一部が「還付金」として返ってくる「所得控除」の制度です。

原則として医療費控除の申請は、医療費を支払った翌年の確定申告の期間内におこないます。

対象者

医療費控除の対象となる費用は以下のとおりです。

・出産時の分娩や入院費用

・妊娠と診断されてからの定期健診や検査などの費用

・不妊治療費用(医師が必要と認めた場合)

・治療または療養に必要な薬代

・通院のために電車やバスで移動した交通費

・タクシー代(入院時に公共交通機関では来院が困難だったために利用した場合)

・入院代に含まれている食事代

 

対象とならない費用は以下のとおりです。

・希望して入院時に個室を選んだ場合の差額ベッド代

・病気の予防、健康増進のための医薬品やサプリメント代

・入院時のパジャマや身の回り品の購入費用

・里帰り出産のための帰省費

・タクシー代(公共交通機関で通院できるにもかかわらず利用した場合)

・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場代

・入院中に病院外から取った出前代や外食代

 

手続きのやり方

  1. 確定申告に必要な書類を準備する
  2. 確定申告書や医療費控除の明細書を作成する
  3. 書類ができたら、税務署に提出する

 

帝王切開の費用負担を減らせる制度④出産手当金

帝王切開の費用負担を減らせる制度の4つめは、出産手当金です。

本制度の目的は、出産のために働けず、給料がもらえなかった人の費用負担を減らす点にあります。

概要、対象者、手続きについてチェックしましょう。

 

概要

出産手当金は、産休期間中に支払われなかった、給料の代わりとして支給される手当です。

 

・計算式

(過去1年間に支払われた標準報酬月額の平均)÷30日×2/3=日額

日額 ×(出産日前42日間で休んだ日数+出産日の翌日以後56日間で休んだ日数)=支給額

 

対象者

健康保険に加入している妊娠4カ月(85日)以上の出産する人が対象です。

扶養家族は対象になりませんので注意しましょう。

申請できるのは出産日より前の42日間と出産日の翌日以後の56日間の間で、出産のために休業していて、その間の給与支給がない人です。

産休前1年間の月給を基準にして計算された金額が支給されます。

 

手続きのやり方

  1. 健康保険組合のホームページより、申請書をダウンロードする
  2. 申請書に必要事項を記載する。
  3. 医師または助産師に必要事項を記入してもらう
  4. 事業主に「2」まで完了した用紙を提出する
  5. 事業主が必要事項を記入し、協会けんぽや健康保険組合に提出する

 

出産手当金の申請期限は2年間です。

育休を2年間取得して職場復帰後に手続きすると、一部が支給されなくなるため注意が必要です。

 

まとめ

帝王切開は、普通分娩よりも入院の期間が長くなるので入院費等も高額になります。

そこで気になるのが、出産費用の負担を軽減する制度ですよね。

本記事では、帝王切開の費用負担を減らす4つの制度を解説しました。

出産を控えている方は、帝王切開の可能性も考慮して、ぜひ参考にしてくださいね。

 

(参考)

帝王切開の出産費用を抑えるために役立つ制度を紹介!

https://doda.jp/woman/guide/seido/023.html#02

妊娠・出産は医療費控除の対象になる?対象となる項目や申請方法、注意点を解説!

https://manekomi.tmn-anshin.co.jp/kenko/17349775

出産手当金とは?支給対象者と支給金額、申請方法をわかりやすく解説

https://www.obc.co.jp/360/list/post219

50代、主婦歴34年 主人と主人の父、大学受験生の娘、猫3匹と暮らしています(主人と娘が猫を拾ってくる!)。 千葉のど田舎でお米と野菜を作りつつ、パン屋さんでパート勤務。趣味は料理・お菓子づくり・パンづくり・ピアノ・お琴で、お味噌は毎年自分で仕込み、読書は年間100冊を超えます。副業はライターです!

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