介護と仕事に疲れたときの対策は?陥りやすい誤解や体験談をご紹介
仕事もあるのに、家に帰ると介護が待っている。
そんな日々を送ってると、体力的にも精神的にも疲れますよね。
介護と仕事で疲れを感じている人は、疲れを倍増させる大きな誤解をしている可能性が高いです。
本記事では現役ケアマネージャーの筆者が、介護と仕事に疲れた時の対策法や、多くの人が陥りやすい誤解を解説していきます。
実際の体験談もご紹介しますので、介護と仕事の両立にお悩みの方はぜひ参考にしてくださいね!
介護と仕事の両立に疲れたと嘆く人が陥りやすい誤解とは?
介護と仕事に疲れたという方は、次の2つのような大きな誤解をしている場合があります。
- 仕事と介護の両方を全力でやらなければならないと思っている。
- 自分の時間の確保は二の次だと思っている
上記の誤解が解ければ、そもそものタスクが減って悩みは解決してしまうかもしれません。
詳しく解説していきます!
仕事と介護の両方を全力でやらなければならないと思っている
まじめな人は特に「仕事も介護もどちらも全力でやらなければならない」と思っていますが、これは大きな誤解です。
仕事でも介護でも、手を抜けるところは手を抜きましょう。でなければ、自分が倒れてしまいます。
自分が倒れてしまったら、一体誰が穴埋めするのでしょうか?
家族や会社の人に協力を仰いで、負担を減らしてもらうことが大切です。
家事に関しても最近では外注サービスもありますので、うまく手を抜いて体力を使わないようにしてみてください。
自分の時間の確保は二の次だと思っている
介護と仕事を両立することになると「自分の時間は二の次だ」と考える人が多いですが、これも大きな誤解です。
介護と仕事で自分の時間がないという状態が続くと、ある日突然『燃え尽き症候群』になって何もする気が無くなります。
介護と仕事を両立しているからこそ、自分の時間はとても大切なのです。
今は介護保険や民間サービスも充実しているので、家族やケアマネージャーに相談し、自分の時間を作れるように調整してみましょう。
休みの日には自由にストレス発散をしてくださいね。
介護と仕事に疲れた状態を放っておくとどうなる?
介護と仕事に疲れた状態を放っておくと、精神的・体力的ストレスが溜まり、普通の生活も大変になってきます。
ケアマネージャーとして色んな方を見てきましたが、主に以下3つのケースが多いです。
- 介護うつになる
- 離職せざるを得なくなる
- 要介護者の虐待行為や殺人が起きてしまう
以下で詳しく解説しますので、自分に当てはまることがあればすぐにケアマネージャーに相談してみてください。
介護うつになる
介護と仕事の疲れを放置すると、介護うつになってしまう方が多いです。
疲れが溜まりすぎて、ある日突然何もする気がなくなってしまうのです。
うつになると回復するのに時間がかかりますので、発症前にきちんとストレスに対処することが大切です。
またうつ病は周囲の理解を得づらく、単なる怠け者だと誤解されることがあります。
家族の理解が何よりも大切なので、家族に説明したり、一緒に病院に行ったりして、とにかく休める状況を作っていきましょう。
離職せざるを得なくなる
介護と仕事の疲れを放置すると、いずれ両立ができなくなり離職せざるを得なくなります。
お子さんがいる場合は特に、収入源が減った場合の影響は大きいので、予めストレスに対処しておくことが大切です。
自分でできる介護の範囲はよくご家族と話し合い、仕事に影響が出るラインを超えたら介護サービスを利用するなど、無理のない範囲を維持するようにしましょう。
要介護者への虐待行為や殺人が起きてしまう
介護と仕事の疲れを放置すると、最終的に虐待行為や殺人につながるということもあり得ます。
虐待や暴力が悪いとは分かっていても、疲れが溜まっていると自分の感情を抑えるのは難しくなるもの。
つい叩いてしまったり、暴言をはいてしまったりすることは決して珍しくはないのです。
もしも暴言や暴力に心当たりがあるなら、疲れが溜まっている証拠。すぐにケアマネージャーに相談してください。
ケアマネージャーは常に中立の立場を維持する仕事ですので、あなたの気持ちも理解しながら解決方法を考えてくれます。
1人で抱え込まないようにしてくださいね。
介護と仕事に疲れたときの対策!おすすめ方法を2つご紹介
介護と仕事に疲れたら、早めに対策をとることが大切です。
おすすめの対策方法が2つあります。
- ショートステイをうまく利用する
- 時短勤務を活用する
詳しく解説していきます!
ショートステイをうまく活用する
ショートステイとは、要介護者の方が一定期間だけ入所できる介護施設のことです。
短期間だけ施設を利用できるので、介護の疲れを癒すのにピッタリです。
場合によっては日中だけ施設で過ごすデイサービスより安く済む場合もあります。
ご自身の状況に合わせてぜひ検討してみてください。
時短勤務を活用する
会社の時短勤務を活用して仕事の負担を減らすことも、大切な対策です。
仕事と介護の両方を全力でやるのは誰だって難しいもの。
収入や会社の規定の兼ね合いもありますが、上司と相談をしながら良い働き方を見つけてみてください。
介護と仕事に疲れたとき、どうした?体験談をご紹介
それでは、実際に介護と仕事に疲れたという方は、どのように対処されたのでしょうか?
私のケアマネージャーとしての経験をもとに、体験談をご紹介していきます。
8050問題にぶつかった家族
最近日本でよく聞かれるようになった8050問題。
50歳の子どもが働かずに80歳の親の年金で生活しているという状況を示した言葉ですが、私が担当しているご家族にも同様のケースがいくつもあります。
介護状況は決して良いとは言えず、介護サービス利用も何とか年金の範囲内で収めようとするので、身体状況も正直良くはありません。
8050問題にぶつかった場合は、やはり本人の年金に頼らず、ご家族が仕事をして介護を続けた方が良い生活にはつながっています。
家族で役割分担をした家族
仕事をしながら、家事や育児をして、さらに介護をするというのは誰にとっても大変なもの。
介護は先の見えない仕事ですから、誰かに負担が集中すると精神状態が悪くなってしまうというケースは非常に多いです。
ご家族で悩みを共有し役割分担ができると、多くの方がストレスなく介護を続けられています。
1人で抱え込まないようにしていけると良いですね!
まとめ
介護と仕事の両立はとても大変です。
そもそもあなたがそんなに抱え込まなくても良いのに、誤解をしていて全て抱え込んでいるという場合も少なくありません。
本記事では介護と仕事に疲れた時の対策やよくある誤解、体験談をご紹介しました。
ぜひ参考にして、ご自身とご家族の健康を無理なく守っていけるよう生活してみてくださいね!
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