介護で高齢者が食事を食べない!5つの原因と食べない時の対処法をご紹介
「おじいちゃんやおばあちゃんが、なかなかご飯を食べてくれない…」
介護に携わっていると、高齢者が食事を摂ってくれず心配になることがありますよね。
実は高齢者の食事量が減るのには原因があります。
その原因がわかれば、自ずと対処法も見えてくるはず。
今回は高齢の父を介護している私の体験から、高齢者や要介護者が食事を食べない理由と、その対処法について解説します。
ご高齢の方が食事を摂ってくれず悩んでいる方は参考にしてくださいね。
介護で高齢者が食事を食べない!考えられる5つの原因をご紹介
食事は毎日欠かさず摂らなければならないものですが、介護状況によってご自分で食べられる方や、食事介助が必要な方など事情はさまざまです。
高齢になると食事量も減ってくるので、つい健康状態が心配になってしまいますよね。
実際に私の父も80歳を過ぎたくらいから1日2食になり、少ないときだと1日1食という日も。
食事をあまり食べてくれないからと言って焦る必要はありません。
原因がわかれば介護する側の負担も解消され、正しく対処できるでしょう。
ここでは、高齢者が食事を食べない原因を5つ説明します。
1. 運動量の低下
高齢者が食事を食べない一つめの原因として、運動量の低下があげられます。
運動量が減ると消費するカロリーも減るため、どうしても食事量が減少しがちです。
食欲不振を解消するには、適度な運動を意識するのがいいでしょう。
介護状況によっては介護サービスなどを利用しながら、まずは外出して体を動かす機会を増やすところから始めてみましょう。
2. 身体機能の低下
身体機能の低下も、食事量が減る原因として考えられます。
加齢による嚥下機能や消化器機能の低下により、食事量が減ってしまうのです。
身体機能の低下による食欲不振を防ぐには、やはり日ごろから適度な運動を心掛け、身体機能の維持に努めることが大切です。
できるだけ外出したり地域活動に参加したりするなどして、無理なく楽しみながらライフスタイルを工夫しましょう。
3. 自律神経の乱れ
自律神経の乱れも、高齢者の食事量が減る原因の一つです。
自律神経が乱れると、胃や腸などの消化器官をつかさどる副交感神経のはたらきが悪くなり、消化吸収機能が抑制され食欲が低下します。
特に高齢者は自律神経の乱れよる不調が表れやすいため、食欲不振に陥りやすいのです。
ご自律神経の乱れを防ぐために、日ごろから規則正しい生活を心掛けましょう。
4. 病気
高血圧や心不全、消化器系の病気やガンなど、もともと持病をお持ちですと食欲も低下しがちです。
ご高齢の方が数日に渡りあまり食事を摂ろうとしないのであれば、体調に異変があるのかもしれません。
本人に聞き取りをしながら原因を探ってみましょう。
飲み物すら受け付けない状態であれば、医療機関に診てもらうと安心です。
また、認知症の方は、目の前に出された食事を食べ物と認識していない場合があります。
そういうときは一緒に食べてみるなど工夫するといいでしょう。
5. 薬の副作用
日常的に長年服用している薬と、違う病院から新たに処方された薬の相性の悪さが食欲不振の原因となる場合もあります。
また、同じような薬を重複して飲んでいることが食欲不振の原因かもしれません。
もし食欲不振が薬の副作用によるものだとわかれば、すぐに問題を解消できるはずです。
薬の飲み合わせについては、医療機関に相談するのがいいでしょう。
介護で高齢者が食事を食べない時はどうする?おすすめの対処法はこれ!
高齢者が食事を摂らない日が何日も続くと心配になりますよね。
私の父も食事を摂らない日が続き、とても心配になりました。
そんなときに試してみて効果的だった方法を6つご紹介します。
同じ悩みを持つ方は、ぜひ試してみてください。
1. 少量ずつ出す
空腹感がないときは食も進みませんよね。
そういうときは、少量ずつ品数を揃えたワンプレートで出してみるのが効果的です。
目に見えて「これくらいの量なら食べられそう」と思ってもらえれば食指も進むでしょう。
私の父はこの方法で、常に完食とはいきませんでしたが、安定して一定量の食事を摂ってくれるようになりました。
2. 食べやすいものを選ぶ
高齢者の状況に合わせて食べやすいものを提供するのも大切です。
たとえば咀嚼や嚥下機能が低下すると、固いものや大きいものが食べにくくなります。
総入れ歯だったり口内やあごなどに持病がある場合も同様です。
ですから食材を柔らかくしたり、一口大に切ったりするなどして工夫しましょう。
おにぎりやパン類は食べやすいので、高齢者には好む方が多く見られます。
茶碗蒸しや豆腐類などのど越しのいい料理も食べやすいでしょう。
ちなみに私の父は、食べやすいバナナやパンを毎朝食べています(笑)。
3. 好きな料理や好みの味付けにする
高齢者の食事はつい栄養面ばかり気にしてしまいがちですが、相手の好みに配慮することも大切です。
食欲があまりなくても、好きな料理であれば食べてくれる場合があるからです。
もちろん、好みの食事を出してあげるには相手の好みを把握しておく必要があります。
普段のコミュニケーションの中でさりげなく好みを探ったり、好んで食べてくれた料理をリストアップしておいたりすると、食べてもらいやすい料理の傾向を把握しやすくなるでしょう。
ただし味が濃い料理は、高血圧や高血糖につながりやすいので注意が必要です。
濃い味つけが好みの場合は、塩分やカロリー、糖質や脂質の過剰摂取に十分気をつけましょう。
4. 水分摂取に気をつける
食欲がないときは体の水分が不足し、脱水症状などを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
食事を促す前に、水分をしっかり摂取できているかを見てあげましょう。
水分補給が十分でない場合はまめな補給を促したり、味噌汁やスープ、フルーツなど水分が多く含まれている食事を出したりすると効果的です。
薬局やドラッグストアに売っている、電解質が含まれた飲料水やゼリーなどもおすすめです。
5. 食べたい時に出す
高齢者の方が少しでも食べたい気分になったときに食事を出してあげるのも有効です。
お腹を空かせているタイミングで出せば食べてくれるはずです。
作り置きやレトルト食品ならすぐ用意できるので、常備しておくと便利ですよ。
6. 食事をする環境を変えてみる
環境を変えてみるのも一つの方法です。
環境が変わると気分も変わり、普段は食べない料理にも箸を伸ばしてくれるかもしれません。
たまには外食してみたり、孫や親戚など親しい人たちを招いて食事を楽しんでみたりするのもいいでしょう。
外出しにくい方は、高齢者向けの宅配弁当を注文する方法もあります。
無理に食事を食べさせようとするとストレスになることも?見守ることも大切!
食事を無理に促すと、食べなければならないというストレスによりますます食欲不振になる可能性があります。
私の父も「食べて、食べて」としつこく食事を促すと、まったく食べてくれませんでした。
精神的なプレッシャーが食欲不振につながる場合があるので、食べられない原因を見極めることが大切です。
また、原因がわからない場合は医療機関で相談するなどして、身体的・精神的な状態をしっかりと把握してケアしましょう。
まとめ
高齢者の食欲不振の原因と対策について解説しました。
高齢になった親御さんが食事をとらないと心配になってしまうものです。
本記事をお読みいただき、高齢者が食事を食べないのは病気ばかりが原因ではないことがわかっていただけたかと思います。
高齢者が食事を食べない原因は、運動量の低下や身体機能の衰え、自律神経の乱れ、薬による副作用などさまざまです。
「食べたくても食べられない」という高齢者の気持ちに寄り添いながら、介護する側も工夫して一緒に食事を楽しんでいけるといいですね。
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