介護トラブル体験談!逃げる・揉めるを回避!兄弟で準備すべきこととは?
親の介護は、いずれ来るとわかっていても話し合いを後回しにしがちです。
しかし、兄弟間でトラブルに発展することも。
本記事では、介護トラブルの体験談と事前に準備しておくべきことを紹介します。
親のケア問題をまだ話し合っていない方は参考にしてくださいね。
介護に関する逃げる・揉めるなどのトラブル一覧!
親の介護でよく起きるトラブルには、次の3つのパターンが挙げられます。
- 長男・長女に任せっきりで逃げる
- 手は貸さず口は出すことでケンカになる
- 金銭援助を拒否する
ここからは各パターンを具体例を交えて紹介していきます。
1. 長男・長女に任せっきりで逃げる
介護問題の中には、長男や長女に任せっきりで、他の兄弟は何もせずもめるというケースがあります。
昔の風習である「長子が家を継ぐ」という考えが、いまだに残っている家があるためです。
もうこのような家制度は多くの地域や家庭でなくなりつつあるのに、兄弟間で考え方が違うとケア者に不満が溜まりトラブルになります。
この傾向は特に地方に根強く残っていて、私が見てきた在宅介護のご家庭でも、長子家族が介護しているケースが多かったです。
兄弟で分担してケアできると、介護される親も安心できるので、話し合ってみてください。
2. 手は貸さず口は出すことでケンカになる
介護問題で多いのが、手は貸さずに口だけ出すことでケンカになるケースです。
特定の兄弟にケアを任せっきりにして全く協力せず口を出すだけだと、介護者は「なんで自分だけ」と、大きく不公平感を持つようになります。
それぞれの事情があり兄弟の誰かが仕方なく介護を引き受けたのにケアは丸投げで、たまに来ても手伝いもしないとなれば、ケア者は孤独を感じます。
たとえ、それぞれの事情があったとしても、親の介護はできる範囲で協力し合いましょう。
3. 金銭援助を拒否する
金銭的な援助を拒否することで、介護トラブルに発展するケースもあります。
ケアが長期化すると、親の貯金や年金だけでは賄いきれなくなることが多いものです。
それなのに他の兄弟に相談しても、何かと理由をつけて金銭的な援助を拒否されると、ケア者は不信感や嫌悪感を持つようになります。
一方で他の兄弟は「ケア者が実家を乗っ取ってしまうのでは」「遺産を使ってしまうのでは」と心配するようになります。
このように介護問題は、金銭問題・相続問題とさまざまな問題を引き起こすので、事前に話し合いをして備えておくことが重要です。
介護トラブル・兄弟の不仲を回避!事前に準備しておくべきこと
介護トラブル防止のために事前に準備しておくことが5つあります。
- 兄弟間で介護に対する考え・本音を話し合っておく
- 親の経済状況を確認する・介護費用をどう捻出するか話し合う
- 役割分担を決めておく
- できること・できないことを確認しておく
- 介護の主となる人を決めておく
ここからは、それぞれの内容を説明します。
1. 兄弟間で介護に対する考え・本音を話し合っておく
介護問題を未然に防ぐには、事前に兄弟間でケアに対する考えや本音を話し合っておくことが大切です。
いきなり介護できるか否かの話し合いをはじめると、介護を避けたい一心で、それぞれの家庭の大変な事情ばかりを言い合ってケンカになります。
まずはお互いに介護に対してどのような考えを持っているのか、本音を語ることから始めてください。
2. 親の経済状況を確認する・介護費用をどう捻出するか話し合う
介護問題を未然に防ぐ方法として、親の経済状況を確認しケア費用について話し合っておくことも重要です。
話しにくい内容ですが、介護費用が親のお金で間に合うのか、それともみんなでカバーする必要があるのかできるだけ早く判断したほうがよいからです。
それに親も、お金のことを一度話しておきたいと思っている可能性があります。
意思表示ができるうちに、年金額や預貯金額を確認しておけるといいですね。
通帳や印鑑、権利証など重要な書類や資産についても「いざという時わかるようにしておいてね」と伝えてみましょう。
3. 役割分担を決めておく
事前に役割分担を決めておくことで、介護トラブルを回避できる可能性が高くなります。
もめないためには、介護負担を一人に集中させないようにすることが大切だからです。
主なケア者以外の兄弟は、資金援助をする、週末は手伝う、親に定期的に連絡するなど少しでもできることを協力して行うことが大切です。
ケア負担を分散させることで、不満が溜まるのを減らすことができ、介護問題回避に繋がりますよ。
4. できること・できないことを確認しておく
介護問題防止のためには、お互いができること・できないことを確認しておきましょう。
事前に話し合うことで、協力し合おうという気持ちも起こってくるはずです。
親に対しての思い入れやケアに対する考え方は兄弟でも違うので、本音を聞いておくことで今後の対策が立てやすくなります。
親にどれくらいのケアと費用が必要で、どのくらい足りないのかが分かれば、具体的に何をすればよいのかがわかります。
押し付け合うのではなく、ここなら自分もできるという意識で話し合いましょう。
5. 介護の主となる人を決めておく
兄弟で協力していくとしても、メインで介護していく人を決めることが大切です。
誰がケアの主導権を握るかは、事前に決めておかないと直前になって揉めてしまいます。
主介護者(キーパーソン)はケアを担うので負担が大きくなりがちなので、できるだけ一人で抱え込まない状況を作りましょう。
キーパーソンは介護サービスの利用をする際に実際に契約したり、施設やケアマネと連絡を取り合ったりと、ケアに対して決定権を持ちます。
主介護者の方から「ここ手伝えない?」と兄弟に相談するのもいいかもしれません。
実際にあった介護トラブル体験談!実は多い逃げるパターン!
介護トラブルの体験談は実は逃げるパターンが多く、今回は3つの体験談を紹介します。
- 娘は介護をするのが当たり前?母と兄からの仕打ち
- 義両親の介護に協力しない義妹と遺産が同額⁉︎
- 嫁に親の介護を丸投げする義家族
ここからはそれぞれの事例を詳しく紹介します。
娘は介護をするのが当たり前?母と兄からの仕打ち
Aさんは13年間、実父を介護していました。
実家には母もいましたが持病を理由に父の介護を拒否、兄も会社が忙しいからとケアはすべてAさん任せでした。
近頃は母もケアが必要な状態ですが、兄や義姉は何もしてくれません。
そんな中、父が亡くなり看取りも葬儀の手配も母のケアもすべてAさんがしたのに、母は労うどころか「娘なんだから介護するのが当たり前」という始末。
さらに遺産もすべて兄に相続させると言うので、Aさんはもう介護する気力が無くなりました。
Aさんの家族も「もう介護しなくていい」と味方してくれたので、母のケアは兄夫婦に任せることに。
結局、兄夫婦は母のケアができないと判断して、母は施設に入所することになりました。
義両親の介護に協力しない義妹と遺産が同額⁉︎
Bさんは、5年前から義両親の介護を、夫婦で協力してやっていました。
夫や子供、ヘルパーさんの協力のおかげで、パートと介護の両立ができていました。
夫には妹がいますが子供が4人いることを理由に、ケアにはいっさい参加してくれません。
そんなある日、Bさんの夫が激怒しながら義実家から帰ってきました。
話を聞くと義両親の遺産は兄弟で同額だという話が出たというのです。
ケアのためにBさん夫婦はかなりのものを犠牲にしてきたのに、義両親に伝わっていないと思うと正直もうお世話したくないとのことです。
「もう遺産はいらないので、施設に入ってもらっては?」と提案すると義妹が「施設はかわいそう」といいBさんの夫が悪者になっています。
結局、何度話し合っても話し合いは平行線のままでした。
嫁に親の介護を丸投げする義家族
近所に住む義母のケアが必要になり、Cさんは2年前から家庭やパートと両立させながらお世話をしてきました。
義父・夫・義姉など他の家族もいるのですが、みんなそれぞれ理由をつけて協力してくれませんでした。
そんな中、義父が亡くなり相続の話になると、急に兄嫁がしゃしゃり出てきたのです。
親族は今までのCさんの苦労を知らないので、張り切る義姉ばかり労います。
今までひとりで苦労してきたのはCさんなのに…。
結局、義母もうまく丸め込まれ、相続の面も義兄夫婦に都合のいいように進んでしまったので、Cさんはもうケアをしない決意をしました。
義姉に任せる話をすると初めは渋っていましたが、急に納得してくれて拍子抜け。
てっきり介護するのかと思ったら、義母はあっという間に施設に入所させられました。
それを知った夫は「私が介護を放棄したせいだ」と責めましたが、自分がまったく介護をしていなかったので強く言えなかったようです。
夫は義兄夫婦にも抗議の電話をしましたが「何もしていないのに文句を言うな」と一蹴されていました。
今後は義実家の問題は夫に任せ、Cさんは距離を置くつもりだそうです。
まとめ
実際にあった介護トラブルの体験談や、介護が必要になる前に準備しておくべきことを紹介しました。
親の介護についての話し合いを後回しにすると、兄弟間の問題に発展しがちです。
しかし、事前に準備しておくことで問題を回避できます。
本記事を参考に、早いうちから親の介護について話し合うようにしてくださいね。
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