高齢者の介護する際のお風呂の入れ方は?事前準備や注意点についても解説!
入浴は身体を清潔に保つために欠かせない習慣です。
しかし、高齢や病気などでひとりで身体を洗えなくなると、介助が必要になることも。
本記事では、高齢者をお風呂に入れる時の事前準備や入浴手順、注意点を紹介します。
入浴時の介助でお困りの方は参考にしてくださいね。
高齢者の介護!お風呂に入れる時の事前準備について解説!
高齢者をお風呂に入れる際は、まず次の2つのポイントを確認しましょう。
- 体調を確認する
- 脱衣所や浴室の環境をチェックする
2つの事前準備について、順に詳しく紹介します。
1. 体調を確認する
高齢者をお風呂に入れる前に、まずは体調を確認しましょう。
体調を確認することは、入浴中や入浴後の体調の悪化を予防をすることにつながります。
たとえば、咳や熱などの風邪症状に気づかずに入浴させてしまうと、さらに症状が悪化してしまうことも考えられます。
具体的には、体温計で体温を、血圧計で血圧を測ります。
またそれ以外にも、顔色や具合の悪いところはないかを確認しましょう。
入浴後も元気でいてもらうために、体調を確認してから入浴させることを心がけてみてください。
2. 脱衣所や浴室の環境をチェックする
脱衣所や浴室の環境をチェックすることも、高齢者をお風呂に入れる前にしておきたい準備です。
入浴環境次第では、重大な病気を引き起こしてしまうこともあります。
たとえば、普段過ごしている場所と脱衣所・浴室の温度差が大きいとヒートショックを引き起こしやすいため、冬場の入浴には特に注意が必要です。
対策としては、脱衣所や浴室を暖房器具で25度くらいに温め、自宅内の温度差を少なくすることが有効です。
また、転倒リスクを考え、床につまづきそうなものが落ちていないかもチェックしておく必要があります。
入浴前は環境をチェックし、体調の急変やけがを未然に防ぎましょう。
介護する時のお風呂の入れ方は?入浴手順を解説!
ここでは、介護する時のお風呂の入れ方の手順を解説します。
- シャワーをかけて温める
- お湯の温度を介助者と本人で確認する
- 頭→顔→身体の順で身体を洗う
- すすぎ残しがないか身体を確認してお湯に浸かる
- 浴槽から出たら、タオルで身体を軽く拭く
上記は、高齢者の身体の負担を考えた上でのおすすめの入浴手順です。
手順について詳しく解説していきます。
入浴手順①
シャワーをかけて温める
入浴前に、浴室の床や入浴用のいすなど、直接肌が触れる場所をシャワーで温めます。
温めない状態で肌に触れると、温度差に驚き、ヒートショックを引き起こしてしまうことがあるからです。
たとえば、入浴用のいすを使用している場合、冷たいまま座ると驚いて立ち上がってしまうかもしれません。
冬場は特にヒートショックを防ぐためにも、浴室内を温めて、高齢者が心地よいと思える環境を整えましょう。
入浴手順②
お湯の温度を介助者と本人で確認する
次に、介護者と本人でお湯の温度を確認します。
介助者にとってはちょうど良い温度でも、本人には熱すぎたり冷たすぎたりすることもあります。
また、お湯の温度を確認せずにいきなり身体にかけるとびっくりしてしまい、介助している人への不信感につながってしまう可能性も。
ちなみに、お湯は心臓から遠い足元からおなかに向かってかけていくことで、心臓に急激な負担がかかることを避けられます。
本人に合わせてお湯の温度を調節し、不快な気持ちにさせないように注意しましょう。
入浴手順③
頭→顔→身体の順で身体を洗う
続いて、頭→顔→身体の順で洗っていきます。
足を洗ったタオルで顔を洗うと、嫌な気持ちを抱いてしまうことが考えられるからです。
具体的には、まず髪の毛を濡らしてシャンプーします。
次に顔を洗い、上半身、下半身の順番で洗っていきます。
身体を洗う時は、本人の好みに合わせて泡をつけて洗ってあげましょう。
すべて洗い終わったら、丁寧に泡を流していきます。
正しい順番を意識して、きれいさっぱりとした気持ちになってもらいましょう。
入浴手順④
すすぎ残しがないか身体を確認してお湯に浸かる
すすぎ残しがないことを確認して、湯船へ入れましょう。
耳の後ろやわきの下は泡が残りやすいため、しっかり確認します。
おすすめのお風呂の入れ方は、半身浴です。
胸の下あたりまでお湯に浸かる半身浴は、心臓への負担を軽減できることから高齢者に適していると言われています。
お湯に浸かると血行を良くする効果も期待できるので、身体を洗ったらお湯に浸かって気持ちよく過ごしてもらいましょう。
入浴手順⑤
浴槽から出たら、タオルで身体を軽く拭く
浴槽から出たら、脱衣所へ行く前にタオルで身体を軽く拭きましょう。
身体についた水分が床に落ちたり、足の裏が濡れていたりすると、滑ってケガをする恐れがあります。
浴槽から出てすぐに頭から足元までタオルで軽く拭くことで、床にダラダラと水分が落ちるのを防ぎ、脱衣所での転倒リスクを軽減することができます。
また、湯冷めしないように素早く拭くことで、浴後の体調不良を予防できます。
身体の水分を手早く拭き、安全に移動や着替えができるようにしましょう。
高齢者を介護でお風呂に入れる時の注意点は?
高齢者をお風呂に入れる時の注意点を4つ紹介します。
- 安全を優先する
- 体調が悪い時は無理をしない
- 長時間の入浴は避ける
- できることは要介護者本人に任せる
以下で詳しく説明していきますね。
1. 安全を優先する
高齢者をお風呂に入れる際は、安全を優先することが大切です。
浴室は、筋力が低下している高齢者にとって滑りやすく、転倒する可能性が高い場所の一つです。
浴室の床にマットを敷いたり、手すりを設置したりするなどして、転倒防止に努めましょう。
また、一人で介助するのが困難な場合は、二人での介助や訪問入浴サービスの利用を検討するなどして、安全を優先しましょう。
2. 体調が悪い時は無理をしない
体調が悪い時は、無理をしないことも大切です。
無理をして入浴させてしまうと、体調が悪化する恐れがあるためです。
体調が悪い時は、他の方法で身体を清潔にしてあげることをおすすめします。
たとえば、蒸しタオルで身体を拭いたり、足を洗ったりするだけでもさっぱりします。
入浴させてあげたいという気持ちがあっても、体調が悪い時は無理をせず、後日体調の良い時に入れるようにしましょう。
3. 長時間の入浴は避ける
長時間の入浴は身体に負担がかかるため、避けましょう。
熱いお湯に長く浸かっていると、のぼせやめまい、脱水症状などの症状を引き起こすことがあります。
場合によっては、救急搬送が必要になるようなことも起こりかねません。
お湯の温度は38度から40度ほどを目安に、お湯に浸かる時間は5分程度が理想です。
浴室に防水の時計やタイマーを置くなどして、つい長湯させてしまわないように注意しましょう。
4. できることは要介護者本人に任せる
お風呂の介護が必要な方でも、自分でできることは本人に任せてみましょう。
手の届くところは自分で洗うことで、日常生活動作の維持や意欲の向上につながります。
たとえば、自分の腕や胸部、腹部などは手が届きやすい範囲なので、可能であれば自分で洗ってもらうといいでしょう。
手の届きにくい背部や足先などは介助し、本人の意思を確認しながら洗っていきます。
高齢者に「自分でできることは自分でする」という意識をもってもらい、優しく見守ってあげましょう。
まとめ
本記事では、高齢者を介護する際のお風呂の入れ方を紹介しました。
高齢者を安全にお風呂に入れるためには、体調確認を行ったり、入浴環境を整えたりと事前準備をしっかり行うことが大切です。
本記事で紹介した手順や注意点を参考にして、高齢者が入浴の時間を気持ちよく過ごせるように介助していきましょう。
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