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強迫性障害との上手な付き合い方とは?症状や対策を経験者が解説!

誰しも心配事の一つや二つはあるものです。

しかし、心配が度を過ぎると強迫性障害という病気の可能性があり、日常生活に支障をきたしてしまうことも。

本記事では、強迫性障害の特徴や症状と上手な付き合い方を紹介します。

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Tomomi

強迫性障害をコントロールしながら、穏やかに過ごしたい方は参考にしてくださいね。

そもそも強迫性障害とは?

そもそも強迫性障害とはどのような病気なのでしょうか?

まずは、強迫性障害の特徴と原因について見ていきましょう。

強迫性障害の特徴

強迫性障害とは、頭の中に悪いイメージが浮かぶと自分でも馬鹿げたことだとわかっているのに、何度も同じ行為や確認を繰り返してしまうという病気です。

恐怖感や不安感から何度も施錠を確認したり、手洗いをしたりして、最終的に日常生活に支障が出て判明するケースが多いとされています。

強迫性障害は人口の1〜2%、人数に換算すると50〜100人に1人の割合で発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。

しかし、誰もが生活の中で行っている行為や確認の延長線上にある病気のため、違和感を覚えながらも「心配性なだけ」と長年やり過ごしている方も多いようです。

強迫性障害により生じるストレスや葛藤などから、うつ病やパニック障害という精神疾患を合併しやすい傾向にあります。

(参考:強迫性障害の方とそのご家族へのアドバイス|並木メンタルクリニック西川口駅前心療内科・精神科

強迫性障害の原因

強迫性障害を発症する原因は、現在のところ特定されていません。

しかし、性格や生育歴、ストレスなどの要因が関係していると考えられています。

発症しやすい主な要因は以下の通りです。

性格
  • 真面目
  • 几帳面
  • 完璧主義
  • 負けず嫌い など
きっかけ
  • 人間関係の悩み
  • 学業不振
  • 結婚・出産
  • 育児の悩み など
生育歴
  • 虐待などのトラウマ
  • 遺伝 など

(参考:強迫性障害|武蔵小杉こころみクリニック) 

強迫性障害の症状とは?

では、強迫性障害にはどのような症状があるのでしょうか?

次の3点を解説します。

強迫性障害の症状
    1. 強迫観念
    2. 強迫行為
    3. 代表的な強迫観念と強迫行為

 

1. 強迫観念

強迫性障害の症状の一つに強迫観念があります。

強迫観念とは、強い恐怖感や不安感のことです。

頭では「有り得ない」とわかっているのに、自分の意思に反したイメージにとらわれ、強い恐怖や不安に襲われてしまいます。

2. 強迫行為

強迫性障害のもう一つの症状が強迫行為です。

強迫行為とは、強迫観念によって生じる恐怖や不安を打ち消すために何度も行ってしまう行動です。

自分で「やり過ぎ」「おかしな行動」とわかっているのに止められず繰り返してしまいます。

3. 代表的な強迫観念と強迫行為

強迫性障害によくみられる、代表的な強迫観念と強迫行為は以下の通りです。

確認行為 強迫観念
  • 戸締りをしたか、ガスの元栓が閉まっているか不安
  • 電気機器の電源を消したか不安
強迫行為
  • 何度も確認
  • 指差し確認
  • ずっと見張る
不潔恐怖 強迫観念
  • 汚れを過剰に気にする
  • 細菌汚染への強い恐怖
強迫行為
  • 手洗い・入浴を繰り返す
  • 公衆トイレに入れない
  • 手すりやドアノブに触れない
加害恐怖 強迫観念
  • 誰かに危害を加えたかもしれないという不安
強迫行為
  • 事故・事件として出ていないか新聞やテレビを確認
儀式行為 強迫観念
  • いつもと手順が違うと不吉なことが起こるという不安
強迫行為
  • どんな時も同じ方法や手順で行う
数字へのこだわり 強迫観念
  • 不吉な数字を異常に嫌う
強迫行為
  • 幸運な数字や縁起を担ぐことに異常にこだわる
物の配置や対称性へのこだわり

 

 

強迫観念
  • いつもの場所に同じ物がないと不安
  • 物の配置が対称でないと過剰に違和感を覚える
強迫行為
  • 必ず同じ位置に整える
  • 必ず配置を対称にする

 

強迫性障害に治療法はある?

では、強迫性障害から解放されるための治療法はあるのでしょうか?

現時点では、下記を組み合わせて行う治療が効果的だとされています。

強迫性障害の治療法
    • 薬物療法
    • 認知行動療法

 

詳しく説明します。

薬物療法

強迫性障害の治療法の一つは薬物療法です。

薬物療法では、脳内のセロトニンに働くSSRIという抗うつ剤を使用します。

薬を服用する目的は、不安感や恐怖感を薄れさせるためです。

人によって異なりますが、効果が出るまで最短で約2〜3週間、最長で8週間要するとされており即効性があるものではありません。

しかし、他の抗うつ剤と比較して副作用が軽く、効き始めると効果が持続するため推奨されています。

認知行動療法

強迫性障害のもう一つの治療法は、再発防止効果が高いとされる認知行動療法です。

認知行動療法とは、強迫観念が表れても強迫行為を我慢し、時間の経過とともに不安感や恐怖感を下げるという治療法です。

例えば、汚いと感じるつり革につかまって手を洗うのを我慢したり、戸締まりした後の確認を我慢したりします。

我慢が継続できると自信に繋がり、やがて強迫行為をしなくても済むようになる効果が期待できます。

(参考:強迫性障害|淀川区(大阪市)の十三メンタルクリニック

強迫性障害はコントロールできる?上手な付き合い方を知ろう!

自分自身で強迫性障害をコントロールできれば、心の重荷が軽くなり日常生活が楽になりますよね。

ここで、強迫性障害との上手な付き合い方を4つ紹介します。

強迫性障害との付き合い方
    1. 自分自身が強迫性障害を理解する
    2. 生活リズムを整える
    3. 周りの人の理解を得る
    4. チェックリストを作る

 

1. 自分自身が強迫性障害を理解する

強迫性障害との上手な付き合い方として、まずは病気を理解することが大切です。

自分の病気を受け入れ、向き合わなければ解決方法は見えてきません。

「悪い考えを必死に打ち消そうとしている」という自分自身の捉え方や、行動を把握しましょう。

きちんと理解した上で、悪いイメージに襲われたらどう鎮めるか、強迫行為をしたくなったらどうすれば良いかというステップに進んでいくと対処方法を身に着けやすくなります。

2. 生活リズムを整える

生活リズムを整えることも、強迫性障害との上手な付き合い方の一つです。

睡眠や食事などの基本的なリズムが崩れると、心身のバランスも乱れがちになります。

できるだけ同じスケジュールで生活すると精神的に落ち着き、病気の安定に効果的です。

特に睡眠時間を十分に取ると脳がリフレッシュされるため、寝る前の恐怖や不安が起床時には和らいでいるという効果が期待できます。

3. 周りの人の理解を得る

強迫性障害との上手な付き合い方として、周りの人の理解を得ることをおすすめします。

強迫性障害は周囲から気付かれにくく理解されづらい病気です。

また、「人に変だと思われるから隠さなければ」と思い詰めると更に不安を感じ、悪循環を引き起こしてしまいます。

「すべての人に理解されなくてもいい」という気持ちで、身近な人に打ち明けてみましょう。

理解してくれる人が1人でもいると、心が落ち着き安心感が生まれますよ。

4. 確認箇所のチェックリストを作る

確認箇所のチェックリストを作ることも、強迫性障害との上手な付き合い方の一つです。

不安になる項目を明確にして、「確認したら必ず印」と徹底すれば「確認済み」の証拠を残せます。

元栓を締めたら印、戸締りをしたら印と一つ一つに印を付けてみましょう。

チェックリストを見れば安心感を得られ、強迫行為が徐々に減少する効果が期待できます。

経験談からヒントを得る強迫性障害との付き合い方

では、強迫性障害を発症した経験者は、どのようにして病気と向き合っているのでしょうか?

実は、筆者は「強迫性障害かも?」と疑い、ほぼ確信している1人です。

筆者を含む2人の経験談を紹介します。

筆者の経験談

私が強迫性障害を疑い、受け入れて日常生活を送っている経験談を紹介します。

「これって心配性なだけ?」と疑問に思うきっかけとなったのは戸締り確認です。

実家に居た頃は、祖父母が常時在宅していたため日中は施錠しておらず、戸締りも家族任せでした。

しかし、結婚してしばらくした頃、外出する際や就寝時に家中の戸締りを確認しないと不安に思うようになりました。

「絶対閉まっている」と頭ではわかっているのに、何度も見回るようになったのです。

子どもが生まれると「何かあったら大変」と、一層確認するようになりました。

ある時、強迫性障害という病気を知り「これだったんだ」と妙に納得したのを覚えています。

私は受診したわけではありませんが、自分なりの対処法として次の2点を実行しています。

  1. 確認は一度だけにする
  2. どうしても不安な時は施錠している様子の動画を撮る

自分で取り決めを作ると気持ちの整理がつき、確認したい欲求を抑えられます。

安心を得るため動画を撮っても、後から見返すことは一切ありません。

これからも自分で上手に線引きをして、付き合っていこうと思います。

とある女性Aさんの経験談

20年もの間、強迫性障害で苦しんでいたAさんの経験談を紹介します。

彼女が違和感を覚えたのは大学生の頃。

教室の机から荷物を取り出したのに、まだ残っている気がして何度も確認したのがきっかけだそうです。

症状はどんどん進行していきましたが、家族に病気を理解されるどころか非難され、Aさんは一人暮らしを開始。

すると、人の目がなくなったことで強迫行為に歯止めがきかなくなったのです。

一晩中手洗いをしたり、入浴に7〜8時間掛かったりと日常生活もままならなくなり、とうとう入院。

1年間の入院を経ても症状は変わらず、途方に暮れたAさんは実家に連絡をしました。

彼女の現状を知った家族は、以前の態度を反省し、Aさんの退院後のサポートをしてくれたそうです。

信頼できる医師のもとで治療を続けたAさんは、現在はほぼ回復して社会復帰に向けて準備中だといいます。

(参考:強迫性障害で苦しんでいる方とその周囲の皆さんへ~私の体験から|障害者ドットコム

まとめ

本記事では、強迫性障害の特徴や症状と上手な付き合い方を紹介しました。

自分でも頭に浮かぶ不快なイメージを「馬鹿げている」と思うのに、なかなか不安が拭えないと毎日が憂鬱になりますよね。

しかし、適切な治療を受けたり、コツを掴んで上手にコントロールしたりできれば心の負担が軽くなります。

本記事が強迫性障害に苦しんでいるあなたの参考になり、少しでも穏やかな日常生活が送れるよう心から願っています。

40代 主婦歴20年 夫、高3の娘、小5の息子の4人家族。 好奇心旺盛で、『迷ったら行動』がモットー。保育士として勤務する傍ら、休日は司会者、ハンドメイド講師として日々奮闘中。 最近、断捨離に目覚め成功!主婦の副業、PTAを楽しむ方法、子育てに関する記事が得意。

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